Q1 丹田呼吸法の「丹田」とはどういう意味ですか。


A 「丹田」とは古代中国における「上丹田」「中丹田」「下丹田」と呼ばれる身体論で使われる言葉ですが、調和道では下腹部の「下丹田」をさします。
古来日本では「臍下丹田」とか「肚」とも云われて、元気が湧いてくる「源」と考えられてきました。
西洋においてもガッツ(guts)は「腸」の意味と共に「気力」、「決断力」などの意味があります。


Q2 調和道丹田呼吸法は腹式呼吸なのですか。


A  調和道丹田呼吸法は息を吐きながらお腹をふくらませる逆腹式呼吸だけではなく「波浪息」「大振息」「屈伸息」「全身操作」等のプログラム化された一連の呼吸法ですから、胸式、腹式、逆腹式などすべての呼吸法がその中に含まれています。


Q3  呼吸法では「横隔膜」という言葉が良く使われますが横隔膜とはどんな働きをするのですか。


A 胸腔と腹腔との境界にある呼吸運動に大切な働きをする筋肉です。横隔膜が収縮して下降すると肺に空気が入り、吸気となります。横隔膜が長く伸びて上昇すると肺から空気が出ていき呼気となります。特に丹田呼吸による腹圧のかかった長呼気の時には横隔膜は伸張性収縮といって固くなりながら伸びて、ゆっくりと上昇していきます。


Q4 丹田呼吸法では下腹部に力を入れるのですか。


A 一般に下腹部に力を入れたり、腹圧をかける呼吸のことを丹田呼吸と考えられていますが、実際にはそれだけでは不十分です。
上体の力を抜かないで腹圧をかけると「いきみ」や「りきみ」となって血圧や脳圧の上昇、鼠蹊部ヘルニア(脱腸)などの原因となり、身体に悪影響を及ぼします。
調和道丹田呼吸法ではそれを防止するために最初に上腹部を緩めて、肩など、上半身に力をいれないでリラックスした状態をつくることから入ります。そうした身体感覚を「上虚」と呼んでいます。上虚が出来た段階で初めて下腹部が充実した「下実」に入ります。丹田呼吸法の特徴はこうした「上虚下実」の腹圧呼吸ですので、単に下腹部に力を入れる呼吸法ではありません。


Q5 丹田呼吸法は体の弱い人でも実修できるでしょうか。


A 調和道丹田呼吸法は「養生法」として病者を癒す効果を重視しており、安全で無理なく実修出来るように体系化されていますが、医療行為ではありませんので病状によっては事前に担当医にも相談されることをお奨めします。


Q6 調和道丹田呼吸法は宗教ですか?


A 調和道丹田呼吸法は宗教ではありません。調和道丹田呼吸法を体系化した初代会長の藤田霊斎は明治12年、12歳の時に新潟県の岩沢村不動寺で得度した僧侶でしたが、呼吸法自体は宗教や信条を問わず、万人に開かれた形で体系化されています。4代目会長の日野原重明会長はキリスト教徒でした。 また、決して迷信に陥らないよう、常に時代に応じた医学的知見と照らし合わせながらブラッシュアップされてきました。2代目会長の村木弘昌会長から歴代の会長は、全て医師が担ってきました。


Q7 若い頃から、冷え性に悩まされているのですが、丹田呼吸法で良くなるでしょうか。


A 冷え性にはいろいろな原因が考えられていますが、調和道丹田呼吸法の実修を始めると体中がポカポカしてくることからも血流やリンパ球の流れの改善を実感する会員も多くおります。


Q8 丹田呼吸は高齢者にでも出来るでしょうか。


A 調和道丹田呼吸法は年齢に関係なく老若男女、だれにでも実修出来ます。座ることが出来なければ寝たままでも構いません。最近の大脳生理学の研究では丹田呼吸法により「セロトニン神経」が活性化されてアンチエイジング効果がある事が明らかになってきました。介護施設などでも多くの老人が丹田呼吸法に励んでいます。


Q9 最近、仕事上のストレスで夜眠れません。丹田呼吸法で良くなりますか。


A 調和道丹田呼吸法には息をゆっくりと長く吐く「長息」という呼吸法がありますが、長息を行うと、こころが落ち着いてきて、穏やかな気持ちになります。これは大脳の右脳のはたらきが活発となりアルファ波という脳波がでてくることによるものですが、就寝前に呼吸法を行うと、よく眠れるという会員の声もよく聞かれます。


Q10「自律神経失調症」と診断されて治療中ですが調和道の丹田呼吸法を行うと改善するでしょうか。


A 調和道丹田呼吸法は日本において100年以上の実績がありますが、過去に精神的なバランスを崩して丹田呼吸法を始めて「神経衰弱」とか「ノイローゼ」という「精神的ストレス」を克服したという会員は数多くおります。丹田呼吸法を熱心に行うとしだいに効果を実感できるようになりますので、是非とも調和道丹田呼吸法をお奨めいたします。


Q11 小さい頃から「ぜん息」で悩んできたのですが丹田呼吸は「ぜん息」にも効果があるのでしょうか。


A 調和道丹田呼吸法には、同じように長い間「ぜん息」に苦しんで入会した会員もおりますが、熱心に実修を続けているうちに、不思議とぜん息の発作が起こらなくなっている自分に気が付くそうです。
調和道丹田呼吸法は「呼主吸従」と云って「吸うこと」よりも「吐く息に心をこめて」、腹圧をかけた呼吸法であるため「呼吸筋群」のはたらきが向上するためと思われます。


Q12 大勢の人の前に出ると上がってしまうのですが丹田呼吸で治るでしょうか。


A 「上がる」というのは肩に力が入って頭に血が上り、冷静な判断が出来なくなる状態です。丹田呼吸法を続けていると肩の力を抜いて下腹部が充実し、重心の安定した身体感覚が身に付いてきますので、少々のことが起きても必要以上に動揺することがなくなります。こうした身心の状態を昔は「肚を鍛える」と云っておりました。


Q13 勉強や仕事になかなか集中して取り組めないので困っています。


A 丹田呼吸法を続けていると「集中力」「判断力」「創造力」という精神的能力が向上しますので一般の学生・社会人のみならず芸術家やアーティストの間でも注目されています。最近行われている医学的研究成果と共に調和道丹田呼吸法の目指す新しい可能性の一つです。


Q14 フルートやトランペットなどの吹奏楽の演奏に丹田呼吸は役に立つでしょうか。


A 会員のなかには「尺八」の名手もおります。調和道丹田呼吸法の特徴である「上虚下実」の身体感覚と腹圧のかかった下腹部の充実感が楽器の演奏にも効果があるようです。調和道丹田呼吸法では、瞬間的に強く息を吐く「短息」と、ゆっくりと時間をかけて長く息を吐く「長息」とを交互に行いますので、楽に息を吐けるようになります。


Q15 丹田呼吸は武道や舞踊、スポーツにも効果があると聞きましたが、本当に効果があるのでしょうか。


A 武道や舞踊、スポーツのように身体の動きを伴う動作というのは身体の中心である「腰」を大切にします。丹田呼吸法を習慣的に行っていると「上虚下実」という身体感覚が自然に身についてきますので、肩や背中がリラックスして下腹部の充実感を感じるようになります。すると身体の重心が定まり。安定した動作が可能になると言われております。当協会では武道の高段者のみならず、舞踊のお師匠さんなども会員として実修に励んでいます。


Q16 丹田呼吸法は「発声練習」にも効果がありますか。


A 「発声練習」においても「腹式呼吸」は大切なトレーニングとして組み込まれています。調和道丹田呼吸法では「横隔膜」「腹横筋」「骨盤底筋群」などの「呼吸筋群」が鍛えられますので発声にも効果的です。